HEROに花束を(完)

何も言うことはないけれど、それでも話し続けたい。

話す内容なんて本当にどうでもいいことだけど、それでもそんな些細な、なんでもないような時間が幸せ。

永遠と続いて欲しい。

ただ、悠と笑っていたい。

それが今のわたしの願い。

「ねえ悠。」

「うん。」

「…す…」

「え?」

「き…」

「…。」

「好き。」


永遠の片想いでも構わない。


「…ありがと。」

「うん。」


永遠と結ばれなくてもいい。


「好き。」

「わかった。」


悠がだれか他の女の子と一緒になってもわたしはいい。


「ふふっ。」

「なんだよ。」


ただ、悠がどこかで笑っていてくれるなら。

さっきの願いは大きすぎるのかもしれない。

欲張りなのかもしれない。


それだったら神様、

悠の瞳がずっと輝き続けて欲しいっていう願いなら叶えてくれますか?


「穂花、時間大丈夫か?」

「あっ…もうこんな時間。」


どうして神様はそんなに卑怯なんですか。


「じゃあな。」


悠はまた明日なって、言ってくれない。


「また明日ね!」


わたしがそう言っても、優しく微笑むだけ。


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