HEROに花束を(完)

友達、親友。


そんなの全てただの飾りにすぎない。


一人でいるのが怖いから、友達っていう特権を使って輪の中に入って、


孤独にならないように頑張っている。


そんな必死なみんなが胡散臭くて、


本当はすごく……………嫌いだ。





だから、友達なんていらない。









「悠なんて友達じゃないっ。」






思わず出てきたその言葉。


悠が息をひゅっと飲む音。









「っ…帰るっ。」


大切なノートが入っているカバンを抱きしめて、わたしは今度こそ悠の腕を振り切った。





悠の手は意外にも簡単に、するっと抜けた。






それが、心にズキっとささった。
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