HEROに花束を(完)
「なるわけねーだろ。」
悠が力強くそう言うから、わたしはまた大きく息を吸った。
「だから…友達はただの飾りで…自分を守る武器なんだって…わたしは思う。だから…いらない…友達がいれば傷つくだけ…だったら、いらないんだ。」
ちろちろと流れる小川の水面に、一匹のカエルが頭を出した。
けろけろと、わたしに何かを伝えるように音を出す。
「そっか。」
悠はただそう言った。
悠の髪は光に当たると小枝色になる。とても柔らかそうで、思わず手が伸びてしまいそう。
「俺の考え、言ってもいい?」
「うん。」