HEROに花束を(完)
「友達っていうのはさ、大変で、いろんな捉え方があると思う。」
悠は言う。
「そんな中で、俺が友達を作る理由は、その人と分かち合いたいって思うからなんだ。」
そよ風がそっと悠の髪を撫でる。
「その人といれば、楽しいだろうなって思うから、友達になろうって思うんだ。
一緒に笑顔になれる人がいれば、それはもう友達なんじゃねえのかな。
心から笑いあえるって、いいことだと思う。」
心の中で、何かが動き出すのを感じた。
「俺は、みんなの笑顔を見るのが一番好きなんだ。」
桜の花が悠の髪に舞い降りる。
「こんなので伝わるかわからないけど、友達っていうのは、その人の笑顔が心から見たいって思える人だと思うよ。」
悠の笑顔が見たい。
「複雑そうに感じるけど、すっげー単純なことなんだよ、きっと。」
悠の笑顔が、心から見たい。