HEROに花束を(完)
*3*
180度変わった生活
「あの…。」
お弁当箱を手に握りしめる。
声が乾いてなかなか音が出てこない。
ちらっと目線を上げると、窓に寄りかかった悠が大きく頷いた。
「あのっ。」
少し声を大きくする。
すると女子たちがお弁当を食べると手を止めて、驚いたようにわたしを見上げてくる。
「えっと…。」
どきどきして言葉が出てこない。
今までずっと避けてきたのに、今更感が半端ない。
「ん?」
みんな、なんだろう、という興味津々の表情で見つめてくる。