HEROに花束を(完)

挨拶もしないで帰っちゃうんだあってちょっと寂しく思ってると、


いきなり悠がピタッと戻ってすごい勢いで迫ってきたから、


わたしはぱっと身構えた。


「バーカ!なにつったってんだよ!一緒に帰るに決まってんだろ!」


「えっ…?」


「ほら、行くぞ!」


そう言うと悠は大股で歩き出した。


「ちょ、ちょっと待ってよ!」


そんな悠はまた新しい悠で、毎日いろんな悠の一面が見れてうれしいわたし。


「いろんな人に笑いかけんじゃねえよばーか。」


「え?」


「俺が一番乗りだからな!穂花の笑顔見たの。」


「え…う、うん?」


「あー!イライラする。」


「どうしたの?」


「とにかく、俺の穂花だし。」


最後のところはブツブツと喋っていてあまり聞き取れなかった。
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