HEROに花束を(完)
そして何よりも、誰よりも楽しんでいる悠自身が、なぜだかすごく眩しく見えた。
ープシューッ
ガタンゴトン、ガタンゴトン…
「はあ、はあ、はあ…。」
わたしは膝に手をついて息をする。
「ひいーっ。」
悠も額を拭う。
「これで、」
がっくりと頭を落とす、
「間に合わないとか…。」
わたしは深呼吸をしながら呟く。
「一歩遅かった〜!」
そう言ってぐったりと待ち椅子に身を投げ出す悠を見て、思わず笑いが漏れた。