千年前の君を想ふ
近づく距離
自室に戻ってから、何分…いや何時間経ったのだろうか。
(やばい……ヒマっ!!)
ふくに何か仕事を手伝わせてくれないか頼んだけど、客人にそんな事をさせられない!と丁重に断られてしまった。
それでもヒマそうな私を見かねて、ふくは「貝合わせ」という遊びを教えてくれたけど、それも何回かしたら飽きてしまった。
「はぁ〜〜。暇ーーー」
「お主はもう少し恥じらいとやらを見に付けられてはいかがか?」
「ひぇっ!?」
驚いて声がした御簾の方を見ると、アイツ(敦政)が腕組みをして柱に寄りかかり、呆れたような目で私を見ていた。