千年前の君を想ふ
なんで今更……
小鳥のさえずりが聞こえて、ゆっくり目を開く。
なんか、重い…?
「ん……」
動こうとすると、耳元で声がした。
視線を下に運ぶと、私は敦政に後ろから包まれる形になっていた。
顔が見たくて身をよじると、敦政は目を覚ましてしまった。
「あ、ごめん。起こした?」
フッと微笑み、「いや、丁度起きたところだ。」
優しいウソと柔らかい体温が心地よくて、私も敦政に微笑む。すると、
ぎゅ~~~~~~(再び)
「い、たい、痛いよ…」
「お主が悪い。」
(な、なにそれ…)
えいっと勇気を出して、頬に軽く唇を寄せると、敦政は目を見開く。
「……仕返しっ!」
「……愛いやつめ…」
ゆっくりと敦政の顔が近づき、私は目を閉じる。
昨日の夜とは違って、優しく、私を好きでいてくれているのがわかるような口付けだった。
(幸せ……)