千年前の君を想ふ
「無礼を承知で失礼する。」
「「敦政」様」
「この者……輝夜は、私の最愛のひとだ。貴方を娶る(めとる)気はない。」
私を抱きしめながら菖蒲へ厳しい声で牽制してくれる。
(守ってくれた、のか…嬉しい。)
敦政が来てホッとしたのと嬉しいので、つい気が緩んでしまった。
「な、なんですの、その顔は…!」
「……え?」
「……ふんっ!何でもありませんわ」
プイッとそっぽを向いた
「とにかく、わたくしは輝夜様のことを認めたわけではありませんわ。しばらく中御門家でお世話になりますので、よろしくお願いあそばせ!」
それだけ言い捨てて、部屋からさっさと出ていってしまった。