千年前の君を想ふ


しばらく呆然と敦政に引っ付いていると、義敦さん(父上様)がこちらへ近づいてきた。



「いやぁ、嵐が去った、という感じですのぅ!」



ふぉっふぉっふぉっと、愉快に笑う。



「あぁそういえば輝夜殿、先日は薬をありがとう。すっかり良くなった。」




「いいえ!お元気になられて良かったです!」











ニコニコしていた義敦さんは、フッと真剣な表情に変わった。







「して、輝夜殿。敦政と結ばれる覚悟がおありなのか?」





義敦さんだけでなく、兄の義政さん、そして敦政も、その答えを待っているようだった。


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