千年前の君を想ふ


私は拳をぐっと固くし、まっすぐに義敦さんを見て、宣言した。




「はい!私は、敦政様を心から愛しております!どうか、結婚を認めてください!」




そう言い切って、勢いよく土下座をした。












ふっ、と笑う声がした。




不安になってちらっと顔を上げると、






「ふぉっふぉっふぉっ!!合格じゃ!輝夜殿、どうか敦政を頼む。」






そう言ってから、少し私の方へ身を屈めて、「少し、大変だとは思うがの!」とヒソヒソ声で言うので、私がクスッと笑うと、



「ち、父上?何を輝夜に吹き込んだのですか!?」と敦政が焦り始めた。






義敦さんはまた、ふぉっふぉっと笑っている。



義政さんは、また祝いの宴を開こうと使用人に指示を出している。











これから、この人たちと『家族』になるのかな……














もう、平成には戻れないな。
















だって、平成には敦政がいない。

















彼がいれば、きっと……






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