千年前の君を想ふ
池の前に移動した私達は、撮影会を開いていた……
「輝夜ちゃん目線こっちにお願い!」
「輝夜ちゃん、空を見上げる感じで!!」
やけクソになって全ての要望を答えていくと、だんだん皆さんも飽きてきたようで…
「そろそろ戻りますか。」
「そうねぇ。丁度いいお菓子があるから、食べなからお話ししましょう!」
キャッキャ言いながら離れへ戻って行った。
「輝夜も、もう着替えておいで。私はもうちょっとお話ししてから戻るから。」
「はーい」
これ、脱ぐのも大変そうだなぁ…と思ったその時。
ただでさえ着物が重くてフラフラしてたのに、石を踏んでぐらついてしまった…
そしていま、池の橋の上……
(あ、やばい)
(あーあ、お母さんに怒られる…)
そう思った時にはもう、私の体は池の方へ傾いていた。