【BL】静かに、熱く。



「なぁ、」



昼休み。土田に話しかけられた。



「~、なに」



さっきの事があったからか、話しかけられると妙に気まずい。



「あのさ、考えてくれた?」



伏し目がちにそう言う土田。



「バッ、周りに人がいたらどーすんだよ!」



幸い、周りに人はいないが。



「そっちこそバカ。俺が確認してないわけねーじゃん。」



「たしかにな」



よかった。普通に会話できてる。



普段じゃ当たり前のことにホッとする。



「でさ、考えてくれた?」



「~、まだ。」



「だよな
まぁ前向きに考えてくれよ」



そう言って立ち去ろうとする土田の背中に声をかける。



「な、なぁ、いつから俺のこと...その、す、好きなんだ...?」



恥ずかしくて、ちょっと声が小さくなる。



俺の言葉を聞いて振り返った土田は、驚いたような顔をしていた。



「そんなこと考えてくれてんの?

大体...去年くらい?」



「そ、そんな前から...?」



「気づいたらって感じだったけど、意識するようになったのは去年だよ。」



「そ、そうか...」



「質問それだけ?あれば全部答えるよ。」



「いや、もう大丈夫。」



ぎこちなく笑った土田に俺もきっとぎこちないであろう笑顔でそう返す。



すると土田は席に戻るかと思いきや、ぐっと顔を近づけてきた。



いきなり顔を近づけられて驚く。



「な、なんだよ」



俺の耳に口を近づけてボソッと一言。



「あ...のさ、不意打ちでそんな可愛い顔されると俺の身が持たないから...勘弁してくれ」



「はっ...?」



「じゃ、じゃあ」



真っ赤な顔をしてまたぎこちなく笑ってから俺の頭をポンポンと叩いて自分の席に戻っていく土田。



「~っ、何のことだよっ!」



なんなんだアイツ...。



急に速くなった心臓の鼓動に俺は気づかないフリをした。


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