鬼課長と鈍感女子の攻防戦(番外編追加)
「孝太郎さんの体力って無限ですか?」
私は隣に横たわる孝太郎さんを見つめた。
「菜緒が俺の原動力だな。だから、ずっと傍にいろ」
真剣な表情で甘く囁かれ、目頭が熱くなる。
私は何度も頷いて、頭からすっぽりと布団を被った。
「隠れるな」
孝太郎さんは布団を剥ぎ取ろうとする。
私は必死で抵抗し、全身くるまった。
涙が止めどなく流れ落ちる。
布団の中で嗚咽を漏らしながら、泣きじゃくった。
「泣くな」
どんなに抵抗しても力の差は歴然で、呆気なく布団を剥ぎ取られ、涙でぐちゃぐちゃの顔を晒すことになってしまった。
「見ないでください」
目線を逸らしても、頬を両手でがっちり包まれ、正面を向かされて泣き顔をまじまじと見られる。
孝太郎さんは頬を伝う涙を優しく拭ってくれる。
「泣くほど身体つらいのか?」
心配そうに顔を覗き込まれる。
「違いますよ。幸せで嬉しくて涙が出てきちゃうんです」
「全くお前は。また抱きたくなるだろ」