鬼課長と鈍感女子の攻防戦(番外編追加)
「倉橋さん!秘書室長と結婚したって本当なの!?」
「今日ってエイプリルフールなの!?」
「嘘だと言って~!」
あまりにも大きな声に耳を塞ぎたくなった。
「園子!行こう!」
園子の手を握って、人混みを掻き分けながらエレベーターに乗り込んだ。
「園子、大丈夫?」
「大丈夫。今日はこうなることくらい覚悟してたから」
秘書室長もこのことを心配していたのかも。
「あれだと、今日一日仕事にならないかもね。ランチは営業部の休憩スペースで食べる?」
「菜緒にも迷惑かけちゃってごめんね」
「迷惑だなんて思ってないよ。私じゃ頼りないと思うけど、力になれることはするからね」
開発部のフロアまで園子に付き添ってから、営業部に向かった。
「おはようございます…」
「真宮さん、おはよう」
営業1課には冴木主任以外誰もいない。
孝太郎さんは会議だし、他の人たちは取引先に行っているらしい。
冴木主任はものすごい速さでキーボードを打っている。