鬼課長と鈍感女子の攻防戦(番外編追加)
なにがなんだかわからず、佐野さんに尋ねようとしたところで、立て続けに電話が鳴り、それっきり話は終わってしまった。
週明けの月曜日はなにかと忙しい。
電話はよく鳴るし、他部署を何度か往復することもある。
気づけばお昼休みになっていた。
「菜緒、お昼行ける?」
振り返ると、園子が立っていた。
「うん、大丈夫」
「社員食堂行こう!」
園子はエレベーターに向かって歩き出していた。
「今日は休憩スペースで食べるんじゃなかった?」
「大丈夫。彼がガツンと言ってくれたから平気」
園子は笑顔で歩いていく。
「秘書室長が?」
園子は嬉しそうな表情で頷いた。
堅物で無駄な話をしない秘書室長がガツンと?
すでに秘書室長のイメージはだいぶ崩れてるけど、さすがにこれは想像がつかない。
社員食堂に向かう道中、いくつも視線は感じるものの、今朝のような突撃口撃をされることはなかった。
どうやら、秘書室長の言葉の影響力は相当なものらしい。
秘書室長、恐るべし。