鬼課長と鈍感女子の攻防戦(番外編追加)
「森本!1時間以内にやり直せ!」
「はいっ!」
「横山!S社の契約書はどうなってる!?」
「申し訳ありませんっ!まだ出来てませんっ!」
「今日中に持ってこいよ!」
「はいっ!」
廊下にまで響き渡る課長の声。
鬼課長は今日も健在だ。
自分の仕事をこなしながら、次から次へと的確に指示を飛ばし、それでいてしっかりと周りを見ている。
「課長、やっぱり凄いな」
加治田くんの呟きに同感しながらも、軽く深呼吸して気持ちを切り替えてフロアに足を踏み入れた。
営業部のフロアは今日も賑やかで、あちらこちらで言葉が飛び交い、電話が鳴り響いている。
その中でも営業1課は怒声が響き渡ることがしばしばある。
営業部、特に営業1課は社内で花形部署として憧れの的らしいけど、目の前の光景を目の当たりにすると、それもどうかと思ってしまう。
午後も忙しく仕事をこなして、平常運転な1日が過ぎていく。