鬼課長と鈍感女子の攻防戦(番外編追加)
『もしもし、菜緒?部長、オッケーだって。必要ならまた連絡してね~』
「ありがとう!助かる!堂林課長が戻られたら訊いてみるね」
なんとか目処が立って良かった。
園子には今度ランチでもご馳走しようかな。
園子にもう一度お礼を言って電話を切ろうとしたら、呼び止められた。
『来週同期会あるらしいんだけど、菜緒どうする?』
「同期会ね…」
私の声は尻すぼみになっていく。
園子は私の返事を知ってるけど、同期会がある度に訊いてくれる。
『菜緒は欠席…だよね。私も今回はパスするから』
「うん、ありがとう」
『じゃあ、さっきの件、また連絡してね~』
受話器を置いて、佐野さんとホッと一息ついていると、カツカツッと靴の音が聞こえてきた。
後ろを振り返ると、颯爽と歩いてくる課長がこちらに真っ直ぐ向かってくる。
椅子に座った状態の私に、身長180センチは確実にあるだろう課長は、腰を折って私の顔をまじまじと覗き込む。
やっぱり課長、睫毛長いな~。
なんて、感心してる場合じゃなかった!