鬼課長と鈍感女子の攻防戦(番外編追加)


私の問いかけにも無言のまま、ただじっと見ているだけ。

一体どうしちゃったんだろう?

とにもかくにも、出張で疲れている孝太郎さんにご飯をいっぱい食べてもらいたい一心で、夢中で料理していた。

ダイニングテーブルの上にたくさんの料理を並べていく。

さすがにちょっと作りすぎたかも。

孝太郎さんも唖然としながら、料理を見回している。

「これ、全部は食えないな」

「残ったら冷蔵庫に仕舞って明日食べましょう」

ふたり同時に手を合わせて「いただきます」と言って食べ始めた。

私が幸せを感じる瞬間のヒトコマだ。

「菜緒、週明けもここから出社しろよ」

孝太郎さんは魚の煮付けを綺麗に食べながら提案、というか私に拒否権はないとばかりに話す。

日曜日には家に戻るつもりでいた。

溜まっている洗濯をしたいし、掃除も料理もしたい。

その一方で、孝太郎さんともっと一緒にいたいとも思う。

きっと週明けも仕事が忙しく、次にいつこうしてふたりの時間が作れるかわからない。








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