鬼課長と鈍感女子の攻防戦(番外編追加)
孝太郎さんを困らせてしまうかもしれないけど、こうして面と向かって話せる時間はとても大切だから、今の気持ちを正直に伝えたい。
「私も一緒にいたいです。こうして一緒にご飯を食べるだけでも、私にとってはとても幸せなことです」
「そうか」
フッと笑う孝太郎さんを見て、私は食べるのを止めて箸を置いた。
「でも、家に帰って洗濯をしたいし、掃除もしなきゃです」
「それなら、日曜日は菜緒の家に行くか」
孝太郎さんは間髪入れずに答える。
「ええっと…」
「洗濯も掃除も手伝ってやる。終わったらここに戻ってくればいいだろ」
孝太郎さんは平然とパクパク食べ続けている。
つまりは日曜日も泊まって週明けはここから出社するってこと…だよね?
少しでも長く孝太郎さんと一緒にいられることは、この上なく幸せなこと。
「良かった…」
ホッと胸を撫で下ろした。
「菜緒」
「はい」
孝太郎さんの大きな手に頬を包まれた。