鬼課長と鈍感女子の攻防戦(番外編追加)
孝太郎さんはビール呑むかな?
冷蔵庫を開けてビールを探す。
「孝太郎さん、ビール呑みます?」
ビールに手を伸ばしたところで、孝太郎さんに手を掴まれて、冷蔵庫は静かに閉まった。
「菜緒」
耳元で甘く名前を囁かれて、身体がピクッとなる。
孝太郎さんはズルい。
私の弱い部分をこれでもかというくらい攻めてくる。
「や、あぁ…」
料理を作っていた私は髪型を軽くアップにしていた。
孝太郎さんは私のうなじに舌を這わせてくる。
「嫌じゃないだろ」
嫌じゃない。
嫌じゃないけど、この甘さにまだ慣れてないから、どうしたらいいのかわからなくなる。
「こ、孝太郎さん…」
これ以上されると、立っていられなくなる。
「菜緒」
孝太郎さんは私のうなじから唇を離すと、後ろから強く抱き締めてきた。
「孝太郎さん?」
一体どうしちゃったんだろう?
後ろからがっちりと抱き締められているおかげで、孝太郎さんの表情が読み取れない。