鬼課長と鈍感女子の攻防戦(番外編追加)
園子はなんでもないことのように淡々と話してくれる。
秘書室長や社長が守ってくれるとはいえ、相当大変だったに違いない。
もし、私だったら…?
私が園子の立場だったら…?
「園子、強いね」
私は小さく呟いた。
「強いもなにも、菜緒だって堂林課長のこと、本気で好きなんでしょ?」
「それはもちろん!」
「その時になれば菜緒にもわかるよ」
園子の言葉に首を傾げつつも、同棲するとなればいろいろと覚悟を決めなくてはと思った。
それに、私にはもうひとつクリアしなければならないことがある。
「はぁ、気が重い」
「大丈夫だよ。菜緒のこと溺愛してる堂林課長が守ってくれるよ。それに私だっているし」
ファイティングポーズしている園子を見て苦笑いしてしまった。
でも、心強い味方だ。
「園子、ありがとう」
笑って言うと、園子は一瞬固まった。
「菜緒、綺麗になったね。これも堂林課長のおかげかしら?」
園子の言葉にキョトンとしてしまった。
私が綺麗なワケがない。
これでも一応毎日鏡に映る自分の姿を見ている。
綺麗というのは、美人である園子に使う言葉だと思う。