鬼課長と鈍感女子の攻防戦(番外編追加)


「園子、視力大丈夫?」

仕事のし過ぎで視力が悪くなったのではと心配してしまう。

「視力?」

ポカーンとしている園子を見ながら、眼鏡姿を想像した。

「眼鏡かけた園子って、なんかかっこいいかも」

元々面倒見のいいキャリアウーマンタイプだから、きっと眼鏡が似合いそう。

「なんの話?」

「なんの話だっけ?」

お互い顔を見合わせて、クスクスと笑いあった。

園子と他愛もない話をして思い切り笑ったお陰で、少し気分が晴れたようだった。

ランチを食べ終えてフロアに戻れば、午後も忙しく次から次へと仕事をこなしていく。

「もうすぐ忙しい日々ともおさらばね。菜緒ちゃん、体調は大丈夫?」

「はい!元気だけが取り柄ですから」

佐野さんに笑って答えて仕事に取りかかった。

さすがに疲れが溜まっていたけど、あと2、3日頑張れば仕事は平常運転に戻る。

「差し入れだ」

夕方になって取引先から戻ってきた課長が、私のデスクに大きなビニール袋を置いた。

中を覗くと大量のお菓子と栄養ドリンクが入っている。



< 129 / 176 >

この作品をシェア

pagetop