鬼課長と鈍感女子の攻防戦(番外編追加)
それは良かった!
きっと課長も上手く交渉したんだろうな~。
課長の顔、ちょっと疲れてる感じがするし。
困っている部下には必ずフォローするし、取引先との交渉もスマートにこなす。
鬼課長って影で言われてるけど、闇雲に頭ごなしに怒鳴り散らしてるってワケじゃない。
課全体をよく把握してるし、的確に仕事を振り分けてるところを見ると、さすがって思っちゃう。
黙ってれば見た目極上のイケメンでモテるんだろうけど。
しかも仕事が出来て、出世街道まっしぐらの高スペックだから、社内社外問わずに選り取りみどりなんだろうな~。
まぁ、私には関係ないか。
そういえば、園子に電話しなくちゃ。
私の徒労に終わったけど、納期が前倒しにならなくて本当に良かった!
受話器を取って内線をかける。
『開発部、倉橋です』
「営業1課、真宮です。園子、さっきの件だけどーーー」
受注システムで検索すると、ちょうど開発部が同じ海外製品を研究用として注文していることがわかり、しかも明日届くことになっていた。
A社にまわしてもらえるように、開発部の部長にも了解は得たけど、課長の話ではどうやら大丈夫そうだし…。
「部長によろしくお伝えしてね。じゃあ」と、受話器を置いて、ふぅーと一息ついた。