鬼課長と鈍感女子の攻防戦(番外編追加)
公開プロポーズ!?
私の実家に行った次の週末には孝太郎さんの実家に挨拶に伺った。
口から心臓が出てくるんじゃないかってくらい緊張感が半端なかったけど、孝太郎さんのご両親はとても優しくて、宇宙の研究をしているお父さんのお話が面白くて、また近いうちにお邪魔させていただくことになった。
お母さんは娘が欲しかったらしく、「早くお嫁に来てね」と言われてしまうくらい。
連絡先を交換してランチとショッピングに行く約束もした。
何日も前から緊張していたのはなんだったんだろうと拍子抜けしてしまった。
「親父は今度いつ連れてくるんだって煩いし、お袋は菜緒だけでも実家に住まないかってワケわからないこと言ってるぞ。このままだったら親に菜緒を奪われそうだ。早く引っ越ししてこい」
どうやら孝太郎さんのご両親に気に入っていただいたみたいで一安心。
孝太郎さんの溺愛ぶりは日々増していってる気がするけど、それが心地よくて幸せを感じる私はどこか変なんだろうか?
私が誰かに奪われるなんて、そんなことあるわけがないのに。
むしろモテるのは孝太郎さんで、イベントの多い12月のせいか、いろいろな人に声をかけられてるみたいで、私の心配は尽きない。
まさかこの後、その心配が現実のものになるなんて、この時は想像すらしていなかった。