鬼課長と鈍感女子の攻防戦(番外編追加)
うーん、2回に分けて行くべきだったかな。
大丈夫だと思ったんだけど、意外にずっしり重い。
フラフラしながら、エレベーターを待っていると、横からゴッソリとファイルが抜き取られた。
横を見上げると、そこにいたのは…。
「課長!?」
課長は片手でファイルを抱えて、真っ直ぐ正面を見据えている。
エレベーターの扉が開き、課長はさっさと乗り込んだ。
待って、待って!
上司にファイルを持たせるなんて、申し訳なさすぎる。
急いで乗り込むと、私と課長を乗せたエレベーターの扉が閉まり、資料室がある地下1階に向けて下降した。
「課長!お忙しいでしょうから、戻ってください!それ、私が持ちます!」
課長の顔を覗き込んで見ると、ギロッと睨まれた。
こ、こわっ!
なんで睨まれてるのー!?
私、なにかやらかした?
「真宮」
「は、はい…」
「重いもの、持つな」
オモイモノ、モツナ?
なんで?
だって、これは雑務で私の仕事だと思うんだけど。
「フラフラして、危なっかしい」
「すみません…」
「次からは台車を使え」
「はい」
課長は資料室まで運んでくれた。