鬼課長と鈍感女子の攻防戦(番外編追加)
鬼課長と鈍感女子の攻防戦
定時で仕事を切り上げて、食材を買ってマンションに帰る。
晩御飯を作っていると、玄関のチャイムが鳴った。
「ただいま」
「お帰りなさい」
課長は家に帰ると、鬼課長ではなく、私を溺愛する孝太郎さんになる。
「今日は寒いな」
「晩御飯は寄せ鍋にしました」
「うまそうだ」
孝太郎さんはキッチンに立つ私を後ろから抱き締めて離さない。
これじゃあ、調理が進まない。
「孝太郎さん、離れてください」
「寒いからな」
意味がわからない。
「晩御飯、食べれませんよ?」
「菜緒を食べるか」
全くもって、意味がわからない。
「なに言ってるんですか。私、お腹ペコペコです」
「俺も腹減った」
「だったら晩御飯食べましょう」
今日もこんなやり取りをしている。
きっと明日も。
「来週末はブライダルフェアだったよな?」
「はい。仕事は大丈夫ですか?」
「大丈夫だ。楽しみだな」