鬼課長と鈍感女子の攻防戦(番外編追加)


孝太郎さんは、「主役は菜緒だから」と、私のワガママを受け入れてくれた。

「孝太郎さんは結婚式でしたいこととか、なにかないんですか?」

「俺は菜緒が隣にいてくれれば、それだけでいい」

「…はい」

やっぱり孝太郎さんは意図も簡単に私を赤面させる。

そんな私の顔を覗いて楽しそうに笑う孝太郎さん。

その姿はとても鬼課長とは思えない。

結婚式当日は一体どんな孝太郎さんの姿を見れるのか、ちょっぴり楽しみにしていることは、私だけの秘密だ。

「これから異動の引き継ぎで忙しくなるから、打ち合わせに一緒に行けない日もあるが、大丈夫か?」

「はい。その時は園子が一緒に行ってくれるそうです」

4月に情報システム部に異動する孝太郎さんは、これからますます忙しくなる。

ただでさえ、営業1課の課長として忙しい毎日なのに、更に多忙だと言われている情報システム部への異動ということで、孝太郎さんの身体が心配で仕方がない。


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