鬼課長と鈍感女子の攻防戦(番外編追加)


「挙式の流れは、このような感じになります」

ブライダルプランナーさんがわかりやすく説明してくれて、私はフムフムと頷きながら聞き入っていた。

隣に座る孝太郎さんも真剣な表情でパンフレットを見たり、パソコンの画面を見たりしている。

「新婦さまのご希望はバルーンリリースがしたいということでしたが、他にはなにかご希望ございますか?」

「いえ、まだ具体的にはなにも…」

「これから徐々に決めていきましょう」

「よろしくお願いします」

たくさんのカタログを土産に、最初の打ち合わせはなんとか無事に終えることが出来た。

その後、何度も打ち合わせを重ねて、あっという間に結婚式当日を迎えた。

朝一番で区役所に向かい、婚姻届を提出した。

今日から私の名前は堂林菜緒。

まだ全然慣れないし、くすぐったいけれど、孝太郎さんと結婚したんだと少し実感が湧いてくる。


< 169 / 176 >

この作品をシェア

pagetop