鬼課長と鈍感女子の攻防戦(番外編追加)
「挙式の流れは、このような感じになります」
ブライダルプランナーさんがわかりやすく説明してくれて、私はフムフムと頷きながら聞き入っていた。
隣に座る孝太郎さんも真剣な表情でパンフレットを見たり、パソコンの画面を見たりしている。
「新婦さまのご希望はバルーンリリースがしたいということでしたが、他にはなにかご希望ございますか?」
「いえ、まだ具体的にはなにも…」
「これから徐々に決めていきましょう」
「よろしくお願いします」
たくさんのカタログを土産に、最初の打ち合わせはなんとか無事に終えることが出来た。
その後、何度も打ち合わせを重ねて、あっという間に結婚式当日を迎えた。
朝一番で区役所に向かい、婚姻届を提出した。
今日から私の名前は堂林菜緒。
まだ全然慣れないし、くすぐったいけれど、孝太郎さんと結婚したんだと少し実感が湧いてくる。