鬼課長と鈍感女子の攻防戦(番外編追加)
孝太郎さんの胸を軽くトントンと押してみると、ようやく唇が離れた。
チャペルにヒューヒューとからかう声や、クスクスと笑い声が響いた。
それでもなんとか無事に挙式を終えて、場所を披露宴会場へと移した。
社長の挨拶と乾杯の音頭で披露宴は始まった。
たくさんの人たちに祝ってもらい、ただただ感謝と感激の連続だった。
青空の下でのバルーンリリースは一生忘れられない思い出になった。
冴木主任のサプライズで、上手く編集された公開プロポーズが会場に流れた時は唖然としてしまったけど、それもある意味忘れられない思い出になった。
孝太郎さんは「冴木、覚えてろよ」と、鬼課長の表情になっていたけど。
そして披露宴も終盤になり、新郎の父つまり孝太郎さんのお父さんの挨拶でお開きというところで、司会の人が「ここで新郎さまよりサプライズがございます」というアナウンスとともに、会場のカーテンが一斉に開いた。