鬼課長と鈍感女子の攻防戦(番外編追加)
課長の本気1
定時で仕事を終えると、会社の近くにあるファイブカフェに向かった。
私は出入口近くのカウンターに座って、カフェオレを注文した。
課長、何時ごろに仕事終わるんだろう?
私は定時の午後5時で帰ることがほとんどで、これまで残業した回数は片手で数えれるほどしかない。
けれど、課長はほぼ毎日遅くまで残業している。
もしかしてワーカホリック?
今は繁忙期じゃないけど、課長はたくさん仕事を抱えてる。
ちゃんと休めてるんだろうか。
課長って休日も仕事してそう。
課長のプライベートは、謎だ…。
時刻は午後5時半。
カフェオレを一口飲んで、ぼーっと外を眺めていると、遠くのほうから明らかに周りとは雰囲気が違う男の人が歩いてくる。
すれ違う女の人たちはチラチラ見ているけど、その視線を全く気にすることなく、こちらに近づいてくる。
背は高くて、スーツが似合ってて、脚はスラッと長くて、どこからどう見ても、イケメンオーラを放ってる、その人は…。
「悪い。待たせたな」
「課長、大丈夫です」
課長は伝票を持ってレジに向かって歩いていく。
私は慌ててバッグを掴んで、後を追った。
すでに会計を済ませた課長は出入口で私を待っていた。
「課長、お金…」
バッグから財布を取り出そうとしたら、課長に遮られた。
「いいから」
「いや、でも課長…」
しばらく押し問答していたけど、結局私は課長に甘えることになってしまった。
鋭い目で睨まれたら、私が折れるしかないよね…。