鬼課長と鈍感女子の攻防戦(番外編追加)


「真宮」

「はい」

「先月、誕生日だったな」

「はい」

あれ?

話変わった?

本気でいくってなにをって訊きたかったんだけどな。

誕生日…。

そうだ、私、先月誕生日で24歳になったけど、それがどうしたんだろう。

課長って部下全員の誕生日を把握してるの?

記憶力も抜群なのかな?

首を傾げると、ベロア製の縦長の箱が差し出された。

課長と箱を何度も交互に見てしまった。

だって、箱には誰でも知ってる超高級ブランド名が刻まれてる。

箱の中身がなにかはわからなくても、それ相応の高価なものが入ってるに違いない。

課長はなんの躊躇いもなく箱を開けて、私の掌にそれを置いた。

私はまじまじと凝視してしまった。

可愛い!

すごーく可愛い!

でも、この輝きって…。

ハート型のネックレスには、キラキラと眩いくらいに光輝く無数のダイアモンドが散りばめられていた。

「誕生日プレゼントだ」

課長はさっと私の掌からネックレスをとって、私の首に手をまわしてペンダントを付けてくれた。

「誕生日プレゼントって、これ相当お高いんじゃ…」

「それは気にするな。それより、これ毎日付けろよ」

いやいや、気にするなって言われても!

これ、気にしないほうがおかしいですよ?

課長職ってそんなにお給料すごいのかな?

平社員と比べたらすごいに決まってるけど…。

しかも毎日付けるの!?

会社にも付けていくの?







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