鬼課長と鈍感女子の攻防戦(番外編追加)


アクセサリーを付けてる女性社員はいっぱいいるけど、私はアクセサリーが似合わないと思って、一度も付けたことがない。

毎日付けるって、なんだか恥ずかしいんだけど。

でも、好きな人からのプレゼントって、やっぱり特別だし、嬉しくて顔がニヤけてしまう。

「課長、ありがとうございます」

なんとかお礼を伝えて、顔を隠そうと両手で覆おうとしたら、グッと左手を掴まれた。

あろうことか、課長は私の左手薬指にキスを落とした。

それは一瞬のことで、私の身体は電気でも走ったかのように、ビクッと震えた。

「ここは俺が予約済みだ。本気でいくって言っただろう?」

よ、予約済み!?

本気でいくって!?

すごい展開に私の頭の中はパニック状態で、口をポカーンと開けて、しばらくの間動けなかった。

「真宮?大丈夫か?」

課長に肩を揺さぶられて、ハッと我に返った。

「はい、大丈夫です」

いや、全然大丈夫じゃないけど!

「俺が真宮を貰うから。だから見合いはするなよ?」

課長はまたさらっととんでもない言葉を言った。

貰うって!?

それに見合いって、なんの話?

「課長、見合いって誰が?」

「真宮が」

「誰と?」

「どこぞの誰かと」

「見合い?」

「そうだ。見合いの話、あるんだろ?」

課長は心配そうに私の顔を覗き込んだ。
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