鬼課長と鈍感女子の攻防戦(番外編追加)


「佐野さん?」

佐野さんは何故か満面の笑顔で、その目はキラキラと輝いている。

「お花畑状態かと思ったんだけど、意外と冷静なんだ~。なるほどね~。フフフ」

お花畑状態って、何?

しかもフフフって不気味に笑ってる。

ちょっと怖い…。

「佐野さん、あんまり真宮さんをからかわないほうがいいですよ」

後ろから冴木主任の声が聞こえて振り返った。

冴木主任は堂林課長と真逆のフワフワ軽いタイプ。

にもかかわらず、仕事は出来る。

事務処理のスピードは速いし、取引先からの信頼も高い。

まぁ、取引先の女性社員からのお誘いが多いのも、群を抜いてるけど。

真逆に課長はそういったお誘いは全て断ってるらしい。

佐野さんからその話を聞いた時は心底ホッとした。

その時に私は課長を想う気持ちに気がついた。

課長のことが好きだと。

けれど、相手は直属のエリートイケメン鬼上司。

年齢差もあるし、私のことは出来の悪い部下としか見ていないと思った。

美人でも可愛くもない私なんか、そもそも恋愛対象外だろうって。


< 43 / 176 >

この作品をシェア

pagetop