鬼課長と鈍感女子の攻防戦(番外編追加)
「佐野さん?」
佐野さんは何故か満面の笑顔で、その目はキラキラと輝いている。
「お花畑状態かと思ったんだけど、意外と冷静なんだ~。なるほどね~。フフフ」
お花畑状態って、何?
しかもフフフって不気味に笑ってる。
ちょっと怖い…。
「佐野さん、あんまり真宮さんをからかわないほうがいいですよ」
後ろから冴木主任の声が聞こえて振り返った。
冴木主任は堂林課長と真逆のフワフワ軽いタイプ。
にもかかわらず、仕事は出来る。
事務処理のスピードは速いし、取引先からの信頼も高い。
まぁ、取引先の女性社員からのお誘いが多いのも、群を抜いてるけど。
真逆に課長はそういったお誘いは全て断ってるらしい。
佐野さんからその話を聞いた時は心底ホッとした。
その時に私は課長を想う気持ちに気がついた。
課長のことが好きだと。
けれど、相手は直属のエリートイケメン鬼上司。
年齢差もあるし、私のことは出来の悪い部下としか見ていないと思った。
美人でも可愛くもない私なんか、そもそも恋愛対象外だろうって。