鬼課長と鈍感女子の攻防戦(番外編追加)
「今朝も課長、機嫌悪そうね~」
「そうですね~。あっ、さっき、課長と目が合ってニコッと笑ってみたんですけど、逸らされちゃいました」
「へっ!?ちょっとそれって…」
「課長を笑わせる大作戦、どうやったら上手くいきますかね~」
「課長を笑わせる大作戦って…。な~んだ、私はてっきり…」
「ん?なんです?」
「なんでもな~い」
佐野さんと他愛もない話をしていると、始業の午前8時半になり、早速仕事に取りかかった。
朝イチで課長の怒声が響くのは日常茶飯事。
営業1課は常に賑やかで、慌ただしく日々が過ぎていく。
そんな毎日の中で私は最近、課長を笑わせる大作戦とネーミングしたミッションを密かに遂行してみている。
これがなかなか手強くて、全然上手くいかない。
でも課長が笑っているところ、なんとなく見てみたいし。
それになんか楽しそうだし。
いつ成功するかわからないミッションだけれども。
鬼課長の笑顔を想像しながら、私は密かにスタートさせた。