鬼課長と鈍感女子の攻防戦(番外編追加)
「園子、醤油取って~」
「取ってあげるから、菜緒の恋バナ聞かせて」
「ズルい…って、園子、それ…」
醤油を持つ園子の左手、その薬指にはシンプルな指輪。
私と同じで園子もアクセサリーは一切身に付けていなかった。
身に付けるのが面倒くさいっていう理由で。
そう言ってた園子が指輪?
園子と指輪を交互に見ていると、園子の隣に男の人がドカッと座った。
「私と彼、結婚したんだ~」
園子は隣に座った男の人を指差して、ポッと頬を赤く染めた。
「…へっ!?」
持っていた箸をポロッと落とし、固まって動けない。
つき合い始めたとか、つき合ってるとかっていう報告じゃなくて、結婚!?
しかも『した』って、いつ!?
「真宮さん、大丈夫?」
園子の隣に座った男の人、もとい園子の旦那様が身を乗り出したところで、なんとか思考を取り戻した。
全くもって大丈夫じゃない。
園子の爆弾発言にもだけど、その旦那様の顔を見て更に驚いた。