鬼課長と鈍感女子の攻防戦(番外編追加)
親友の結婚
午後からは恐らく入社以来一番と言っていいほど集中して仕事に打ち込んだ。
「菜緒ちゃん、大丈夫?眉間にシワが寄ってるけど」
佐野さんに心配されるほどに。
「真宮さん、すごい集中力だね」
「なんか、いつもと雰囲気違うね」
営業1課の人たちの声にも気づかないほどに。
「真宮さん、定時だよ」
冴木主任の声にハッと我に返った。
もうそんな時間!?
周りを見ると佐野さんはいつの間にか帰っていた。
課長のデスクを見るともぬけの殻。
ホワイトボードを見ると課長の名前の横に直帰と書かれている。
いつの間に外出したんだろう。
それすらにも気づかなかった。
バッグからスマホを取り出すと、課長からメールが入っていた。
『ファイブカフェで待ってる』
メールは10分前に送られていた。
急いで帰り支度をして、はやる気持ちをどうにか抑えながらファイブカフェに向かった。