鬼課長と鈍感女子の攻防戦(番外編追加)
他人事ってどういうこと?
意味がわからず、首を傾げた。
「へぇ~、真宮さんって天然タイプ?堂林、頑張れよ」
「堂林課長も大変ですね~」
なぜか、秘書室長と園子は同情の眼差しで課長を見ている。
「全く、鈍感にも程がある。しかも無自覚だしな」
課長は大きくため息をついた。
私が悪者みたいな雰囲気。
鈍感?
無自覚?
さっきから意味がわからないことばかり。
「あの、もう少しわかるように言ってください」
課長の腕を軽くグイッと引っ張った。
「俺たちも社内恋愛だろう」
「はぁ」
確かに上司と部下の社内恋愛だなぁと妙に納得して頷いた。
「はぁじゃねぇよ。さっきも言ったけど、ひとりで抱え込むなよ。なにかあれば、すぐに言えよ」
どうやら、課長は心配してくれているらしいことが伝わってきた。
園子と同じように、私もひとりで辛くて苦しい想いをするんじゃないかって。
でも、そんなことにならないようにと、優しい言葉を言ってくれる。