鬼課長と鈍感女子の攻防戦(番外編追加)
家!?
この大きな建物が家!?
目が点状態の私は、エントランスに入って口をぽかんと開けてしまった。
家っていうより、高級ホテルじゃないの?
革張りのソファーがあったり、シャンデリアがキラキラ輝いてたり。
しかもカウンターには黒いスーツを着た男の人がいて、「堂林様、お帰りなさいませ」って、ご丁寧にお辞儀していた。
やっぱり家じゃなくてホテルだよ。
課長ってホテル住まいなの?
口をぽかんと開けたまま、課長を見上げた。
「コンシェルジュの榊さん」
コンシェルジュ!?
コンシェルジュがいるってことは、やっぱりホテルだよ。
「課長、ホテル住まいなんですか?」
思ったまま訊いてみた。
「ここはマンションですよ」
コンシェルジュの榊さんがニコニコ笑いながら教えてくれた。
「マンション!?」
コンシェルジュのいるマンションって、なにそれ!?
「さっき俺の家って言っただろうが」
今日二度目のデコピンをされた。
「いたっ!なにするんですか!」