鬼課長と鈍感女子の攻防戦(番外編追加)
鬼課長だと思ってます、なんて絶対言えないけど。
課長に淹れてもらったコーヒーが千円、いやいや一万円くらいの価値があるんじゃないかと思うと、なかなか飲めずにいた。
「課長、料理作れるんですか?」
「簡単なものだけな。独り暮らしが長いからな」
それもそうかと納得してしまう。
私はまだ社会人2年目だけど、課長は社会人8年目。
「仕事は出来るし、家はすごいし、料理は作れるし。課長って何者なんですか?」
「働いて家事するなんて普通だろ」
それはそうかもしれないけど、課長は上からも下からも信頼されてる社内で有名なエリートイケメン社員なワケで、ちょっと普通じゃない気もする。
それに加えて、この家。
20階の角部屋らしく、今いるリビングだけでも、とても広い。
「大学の時、起業してたんだ」
「えっ?」
「会計ソフト作ってた」
「課長が?会計ソフト作ったんですか?」
「あぁ」
「よくわからないですけど、課長、パソコンとか詳しいんですか?」
「一通りはな」