鬼課長と鈍感女子の攻防戦(番外編追加)
意外すぎる。
まさか課長が学生起業していたなんて。
しかもパソコンに詳しいなんて。
「じゃあ、このマンションって…」
「その時貯めたお金で買った。ちなみに起業した会社は後輩が引き継いでる」
すごすぎる。
エリートってことはわかってたけど、なんだかもう課長が雲の上の存在に思えてきた。
そんな人と私、つき合ってるんだよね…。
大丈夫なのかな?
急に不安になってしまった。
「菜緒」
課長に名前を呼ばれると、ドキドキしてしまう。
「はい」
「今マイナスなこと考えただろ」
どうしてわかるんだろう。
なんでもお見通しなのかな。
驚きのあまり、目を見開く。
「顔に出すぎだ。情けない顔しやがって」
情けない顔って!
さっきは間抜けな顔って言われて、今度は情けない顔って、何気に酷いんですけど!
ところで、課長の顔が近いのは気のせい…?
「全く可愛いヤツ」
甘い言葉を囁きながら、私の唇に軽くキスをした。
しかも固まった私を見て笑っている。