鬼課長と鈍感女子の攻防戦(番外編追加)
「は?なに言ってるんだ。泊まれ」
イヤイヤイヤ、孝太郎さんこそ、なに言ってるんですか?
泊まれって言われて、はい、そうですかとはならないでしょう。
泊まる準備はしていないし、なにより、さっき抱きたいと言われた私は、少し落ち着いたとはいえ、まだドキドキはしているし、頭の片隅に衝撃的な言葉が残っている。
「なにも準備していないですし」
「なら、コンビニ行くか」
孝太郎さんは本気らしい。
すでに鍵を持っている。
私のバッグは…どこ行った?
孝太郎さんに奪われた私のバッグが見当たらない。
キョロキョロと周りを見ても、どこにもない。
「私のバッグは…?」
「財布なら俺が持ってるから心配するな」
イヤイヤイヤ、そういうことじゃなくて!
「行くぞ」
捕獲されてしまった。
もう決定事項らしい。
がっちり手を繋がれたまま、すぐ近くのコンビニに向かった。