鬼課長と鈍感女子の攻防戦(番外編追加)
課長はじーっと私を見ている。
課長、睫毛長いな~。
それにしても課長の顔立ちは、芸能人にも劣らないくらいにイケメンだよね~。
私より6つも年上とは思えないくらいに、程よく筋肉ついてて、体は引き締まってるし。
やっぱりジムとか行って鍛えてるのかな?
肌荒れもしてないってどういうことなんだろう。
一体なにを食べたら、こんなキレイな肌になるんだろう。
羨ましすぎる!
…なんて、観察してる場合じゃなかった!
なにかしゃべらなくちゃ!
そう思えば思うほど、頭が働かなくて上手く言葉が出てこない。
キレイな肌の秘訣を教えてもらう、とか?
いやいや、仕事に関係ないし。
そんなこと訊いたら怒られそう…。
えーっと、えーっと、と焦っていると、課長に名前を呼ばれた。
「真宮」
「はい」
「目、どうした?」
め、め、目…?
あぁ!目!
そうだ、今日はコンタクトじゃなくて、眼鏡だった!
「朝起きたら充血してまして、痛くてコンタクト付けられなかったんです」
「…そうか」
「はい」
「真宮」
「はい」
「今から眼科に行ってこい」
「はい…。へっ!?今から!?」
「痛むんだろう?」
「はい…。あの、仕事終わってから行きますので…」
「今から行ってこい」
課長命令だとでも言わんばかりの低音ボイスに、私はとてもノーとは言えなかった。