鬼課長と鈍感女子の攻防戦(番外編追加)


「全くお前は。鈍感なヤツ」

「それより仕事大丈夫ですか?お邪魔だったら帰りますけど?」

「帰るな。すぐ終わる」

片手でがっちりと私の手を握り、帰らないようにと拘束した。

孝太郎さんは器用に片手でパソコンのキーボードを打ち、仕事を再開した。

そのスピードに唖然としてしまう。

あっという間に次から次へと仕事を片づけた。

言葉通り、すぐ終わった。

やっぱり孝太郎さんはタダ者ではないと再確認した。

「孝太郎さん、すごいですね」

感心してしまう。

「俺を誰だと思ってる?惚れ直したか?」

誰って、鬼課長でしたね。

とても言えないけど。

「惚れ直すもなにも、ずっと好きですよ」

今も、この先もずっと。

一生大事にしたいと思った人だから。

「菜緒」

甘く耳元で名前を呼ばれると、胸がドキドキして身体全体が一気に熱くなる。

唇が塞がれる。

軽いキスは徐々に大人のキスになっていく。

恋愛初心者の私は、まだまだついていくのがやっとだけど、孝太郎さんの気持ちに応えたい。
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