鬼課長と鈍感女子の攻防戦(番外編追加)
本当は羞恥心と恐怖心でどうしたらいいかわからない。
手足は僅かに震えている気もする。
それを悟られないように、ギュッと強くしがみつく。
「菜緒、好きだ」
何度も角度を変えて、貪るようなキスが降ってくる。
唇が離れたと思ったら首筋にキスされ、同時にチクッと痛みが走った。
甘くて、優しくて、熱を帯びているような真剣な眼差しに、身体が一気に熱くなる。
「孝太郎さ…ぁん」
自分の口からこんな甘ったるい声が出て驚いてしまう。
思わず手で口を覆った。
孝太郎さんはすかさず私の手を掴み絡めた。
「声、聞かせろ」
「は、恥ずかしいです…」
「恥ずかしいなんて考えてる暇がないくらい愛してやる」
甘く耳元で囁かれ、腰が砕けそうになった。
急に視界がぐるんと回転し、両足が宙に浮いた。
孝太郎さんは私をお姫様抱っこし、寝室に直行する。
ゆっくりベッドに置かれると、孝太郎さんは私の上に覆い被さってくる。
そしてまた、貪るようなキスが降ってくる。