鬼課長と鈍感女子の攻防戦(番外編追加)


孝太郎さんの背中に手を回し、ギュッと密着するように抱きしめた。

キスの心地よさにうっとりしていたら、孝太郎さんは私が着ている洋服を脱がし始めた。

「ま、ま、待っ…!」

「待てない」

ピシャリと断言されると、それ以上なにも言えなくなってしまう。

覚悟を決めたのだから、今さら止めるつもりはない。

でも、初めての私はこの先なにが起こるのかわからず、どうしたらいいかわからない。

「孝太郎さ…ん、私、どう、したら…」

「ただ感じてろ」

孝太郎さんは色気たっぷりの顔で見下ろしてくる。

大きな手で全身を撫でられると、徐々に緊張がやわらぎ、力が抜けてくる。

あっという間に真っ裸にされると、身体のありとあらゆる場所にキスが降ってくる。

部屋中に私の甘ったるい声が響く。

とろけるようなキスに、頭がぼーっとして意識が飛びそうになる。

「菜緒、愛してる」

「こ…あぁ!」

真っ裸になった孝太郎さんが再び私の上に覆い被さって、味わったことのない痛みと共に、わたしたちはひとつになった。




< 97 / 176 >

この作品をシェア

pagetop