鬼課長と鈍感女子の攻防戦(番外編追加)
ゆっくり瞼を開くと、逞しい腕に抱きしめられていることに気づいた。
スースーと規則正しい寝息が聞こえてくる。
目が覚めて、隣に愛する人がいる。
ただ、そのことに、大きな幸せを感じる。
昨晩はシャワーも浴びず、二度三度と身体を重ねた。
なにもかも初めての私は、ただただ翻弄されっぱなし。
今さらながら恥ずかしさが込み上げてくる。
孝太郎さんはまだ寝てるから、先にシャワーを借りよう。
孝太郎さんを起こさないように、そろりとベッドから出ようとして、なぜか足に力が入らず落下してしまった。
「イタタタ…」
「いい眺め」
いつの間に起きたのか、孝太郎さんは肘をついて私を見下ろしている。
いい眺めって?
「身体、きつくないか?」
思わず自分の身体を見た。
「な、な、なんで!?」
私は真っ裸のままベッド下に転がっていた。
「初めてだったのに、抑えが効かなかった。最後は菜緒、意識飛んだだろ?」