桜樺 -ouka-
屯所につくと、すぐに夕餉の支度を始めた。
いつまでもくよくよなんてしていられない。
前を向かなくては。
「あれ、瞳ちゃん……いいの?」
沖田さんだ。
『うん…ごめんね、心配かけちゃって』
「全然。瞳ちゃんが元気になったのならいいんだよ」
『ありがとう』
お礼を言うと、沖田さんが顔を真っ赤にして口をぱくぱくさせている。
『え………な、なに…?』
何か私変??
「わ、わ、わ」
『…わ?』
「笑った……」
『え………』
驚いて私も口元へ手を当ててみると、確かに笑っていた。
『笑ってる……私…笑えたんだ……』
その言葉を聞くと、さっきまで驚いていた沖田さんが、微笑むと言った。
「瞳ちゃんはそうやって笑っていた方がいいよ。可愛い」
『っ!!!』
沖田さんに言われると、凄く照れる…。
頬が熱くなるのを感じた。
どうしちゃったの…私…。