桜樺 -ouka-
バッ
誰とも知らず声に目を覚ました。
行かなきゃ。
無我夢中で走り、辿り着いたのはあの桜の木だった。
なんとなくわかっていたけど、いざ見てみるとこの木が私を呼んだなんて信じられなかった。
すると突然、淡いピンク色の光が私を包んだと思ったら、桜の木だけがぽつんと佇む、常識とはかけ離れた場所に来ていた。
『……私を…呼んだのはあなた?』
────えぇ
『誰なの?』
────桜の木に名前なんてないわ。それより瞳……あなたに真実を伝える時が来ました
『真実……』
────あなたを蘇らせたのは私です